ロシアによるウクライナの軍事侵攻を断固糾弾し、
ロシア軍の即時撤退を求めます
ロシアによるウクライナの軍事侵攻を断固糾弾し、ロシア軍の即時撤退を求めます
軍事力による政治がいっさい否定される世界の構築のため、憲法9条を掲げる日本政府が先頭に立つことを求めます
ロシア軍は、2月24日にウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始、ウクライナ側の死者は民間人を含め少なくとも137人にのぼり、さらなる犠牲拡大が懸念される。
ロシアのウクライナ軍事侵攻を世界が止められなかった事態を目の当たりにし、軍事力を強化しなければ、自国を守ることなどできないという声が聞かれる。そして、岸田内閣の敵基地攻撃論と共鳴し、憲法を改正し、軍事力を強化する必要があるとの主張や、敵から攻撃されたときに、自国でエネルギーをまかなうためには、やはり原発は必須だとの主張まで聞こえてくる。
しかし、自国の軍事力を強化することで、本当に敵から攻められない状況はつくれるのだろうか。
ウクライナにも軍隊は存在するが、ロシアの軍事侵攻を止めることは出来なかった。軍事力を強化することによって他国からの侵攻を受けないようにするという理屈からすると、他を圧倒する世界最強の軍事力を持つ以外には方法はないことになる。そして、核兵器を保有することも必須となる。この理屈は、軍事力で対抗しようとする全ての国に、歯止めのない軍拡競争をもたらし、国家予算は軍拡に偏って配分されるようになり、国民の生活へ富はまわらなくなり、国民の生活は犠牲となることは目に見えている。さらに、軍事力によって世界の秩序を保ち、変更しようと企てる権力者は、国民を屈服させることに権力を濫用し、抵抗するものを弾圧するようになる。このことは、第二次世界大戦のドイツや日本で証明済みである。
しかも、軍事力を増強させたからといって、本当に他国からの侵攻を受けないという保障はどこにもない。そして、原子力発電所が爆撃を受ければ国は瞬く間に滅びることになる。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻は、世界最大の軍事力を有するアメリカ合衆国が加盟しているNATOをもってしても、ロシアの蛮行を押しとどめることができないことを、私たちに示すものである。いくら自国の軍事力を高めたり、軍事同盟に加わることで強力な軍事力を備えていたとしても、血の気の多い、喧嘩っ早い権力者は、それを簡単に突破し、お構いなしに軍事行動に出てしまうということが、このたびのロシアのウクライナへの軍事侵攻は教えている。
血の気の多い、喧嘩っ早い政党や人間に権力を握らせないことが、世界に戦争を引き起こさせない最も確実で、世界に平和をもたらす唯一の方法であることを、ロシアのこのたびの蛮行は示していると言える。日本国憲法は、権力者の横暴を禁止するもので、世界の全ての国の憲法に、憲法9条の理念を刻ませることこそが、世界平和を保障する唯一の道であると考える。
ロシアによるウクライナの軍事侵攻を断固糾弾し、ロシア軍の即時撤退を求める。そして、軍事力による政治がいっさい否定される世界の構築のために、すべての国が努力するよう訴える。
日本国憲法第9条は「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と誓っている。核兵器使用や侵略をはじめ多大な犠牲の教訓からである。日本政府が、この憲法の理念を堅持し、その先頭に立つことを強く求めるものである。
2022年2月26日
島根県民主医療機関連合会
会長 眞木高之
事務局長 平田保